銀時、始めました!!
それは突然訪れた。
「やぁ〜。今日は珍しく平和ですねぇ〜。」
和んでいる新八の頭からは血が・・。
「いや!!お前、定春に噛まれてる時点で平和じゃねぇだろ・・!?」
「定春は、遊んでいるだけアル!悪気はないアルヨ。もっとやるアル!定春!!」
神楽の命令を聞いたのかは定かではないが、
(ガブ。)
新八の頭は定春の口の中に納まってしまった。
「神楽オメェは悪気ありまくりだろ!?」
そんな感じで今日も万屋銀ちゃんの一日は平和(?)に過ぎていく。
(ドゴーン!!)
「!!」
その静けさを破ったのは破壊音だった。
万事屋の面々が上を見上げると・・そこには青空が広がっている。
「・・・。」
しばらく沈黙が流れて。
「・・えぇ!?屋根は?ってか何で穴開いてんの!?屋根に穴開いてんの!?」
新八は、驚きのあまり声を上げたが、
「銀ちゃん!!凄いアルヨ!!屋根に窓が出来たアル!」
「そうだな。雨防げねぇけど。」
銀時と神楽にはあまり驚きは無いようだ。
「何でそんなに落ち着いてるんですか!?銀さん!!あれは明らかに「窓」じゃなくて「穴」ですよ!!しかも上から何か降って来たしィ!!」
(ゴトッ!!)
屋根に風穴が開いた事にも驚いたが、その瓦礫の下で何かがうごめいた事にも驚く新八。
「ウギャア〜ッ!?何かいる!?何かいる〜!!ヘルペス!!ヘルペスミ〜!!」
「ヘルプ・ミーな。」
銀時の的確なツッコミも新八には聞こえていないようだ。
「おバカアルネ〜。新八は。」
「オメェにだけは言われたくないと思うぞ?」
「・・僕は銀さんにも言われたくありません。」
そんな会話が繰り広げられている間に瓦礫の下から謎の飛来物登場!!
「エイリアンでしょうか!?」
「いや。ア〇パ〇マ〇だろ?」
「違うアルヨ!ド〇えもんアルネ!!」
「アンパンマンは分かるけどドラえもんは空飛べないし。あっ。言っちゃった・・。」
「飛べるアルヨ!竹の子ヘリコプターアル!!」
「神楽ちゃん。タケコプターだよ・・。」
(ガタ・・。)
「あ・・あなたは・・!?」
瓦礫の下から現れたものとは・・?
「ペンギンアル〜!!」
(ガブ。)
ペンギンの様な姿の物体。
その姿の三分の一は定春の口の中。
「いや。ペンギンみたいだけどそうじゃねぇだろ。あれはヅラの飼いペンギンだ。」
「ペンギンって認めてるじゃないですか。違いますよ。あれはエリザベスです。」
マイドお馴染みペンギン地球外生物・エリザベス。
片手を上げて
「よっ!」
と挨拶するその姿は愛らしくはなくどこか間抜け。
「オメェどーすんだよ。エリザウルス。屋根壊しやがって。」
銀時はいつもの様にやる気なさげに言った。
「オメェどーすんだよ?エリクトロニック。弁償アルネ!!」
「二人とも全然合ってないし・・。」
「わん!!」
呆れ顔の新八をよそにエリザウルス・・じゃなかった。
エリザベスは、どこからともなくスケッチブックとマジックを取り出して何か書いている。
「?」
「お絵かきアルカ?」
エリザベスのスケッチブックには次々に何か書き込まれていく。
「千歳飴かぁ?」
「違いますよ銀さん。これはきっと流しそうめんです!」
「酢昆布アル!!」
それぞれの意見が出揃ったが、描かれたその物体が何なのか誰も確かな事は分からない。
それ程にエリザベスの画力は未熟だったのだ。
「何にしてもヘタクソな絵だな。」
銀時ため息混じりに言うと、
(ばしっ!!)
「イテェ!!」
頭上にエリザベスの鉄拳が・・。
「何するアルカ!!エリクトロニック!!お返しアル!行け定・・」
(ガブ。)
「神楽ちゃ〜ん!?」
「お前も例外じゃなくソイツ(定春)には餌・・」
(ドス!!)
今度は銀時に神楽の鉄拳(傘)が降った。
「ウルサイアル!!定春は友達ネ!!」
「・・あーそー。ったくイテェなぁ。」
(ビリビリ・・)
スケッチブックを一枚破くと
「あっ!エリザベスがまた何か書き始めましたよ!?」
全員の目線はエリザベスの手元に釘付け。
(キュッキュッ)
心なしかエリザベスの手元も滑らかだ。
「・・何なんでしょうか?コレ。」
新八が首をひねる。
「ん〜?サ〇コ?」
「やっぱり酢昆布アル!!」
「そんな訳無いでしょ。明らかにこれは人間だし。」
(ビリビリ)
エリザベスはまたまた紙を破く。
「さっさと金払えっ!!このプータローが!!」
いきなり勢いのいい怒鳴り声と共にカブキチョウ四天王の一人、大家・お登勢さん登場!!
「うるせぇな!!クソババァ。こっちは今お取り込み中なんだよ!あとでかけ直せ!!」
『?』
新八、神楽、定春、エリザベスの頭上にいっせいに?が現れた。
「かけ直せって・・銀さん・・。」
「ん?だってこの前ヅラに電話したらそういわれたぞ?」
「そうアルカ!?今度使ってみるネ!!」
「いや。神楽ちゃん。こんなダメ男の言う事信用したらダメだよ?銀さん・・それは電話だから通用するんです。しかも留守電ですよ!?それ。出れるのに使う意味ないし!!」
話の流れが分からなくなってしまうので元に戻してもらおう。
お登勢さぁ〜んよろしくお願いします。
「ウルセェ!!何訳の分からん事をみんなしてゴチャゴチャ言ってるんだよ!!」
「コノダメニンゲンノシュウダンガ!!」
不法滞在の疑いあり。
泥棒からすっかり足を洗ってコソドロに成り下がった外国人・キャサリン登場。
「オイ。チョットトイレコイ。ナレーター・・!!」
ごめんなさい。
「あ〜あ。また家壊しやがって。自費で修理するんだね。アタシはあんたらダメ人間にこれ以上金を使う気は無いからね!」
「ヤチンハラエ!!コノドロボウガ!!」
「あなたにだけは言われたくありません・・。」
新八は、メガネの奥の瞳を潤ませた。
「あ。すっかり忘れてたアルネ!エリザベートの絵が完成したアル!!」
「だ・か・ら!!エリザベスだって!!」
「見せてみろ。エリーゼノタメニ。」
「銀さん。もはやそれ人の名前じゃないですよ・・。」
新八は、今猛烈にこう叫びたかった。
『誰かぁ〜!!この人たちを遠く離れた銀河系の片隅に捨ててきてくださぁ〜い!!僕はもう手に負えませぇ〜ん!!』
エリザベスのスケッチブック。そこには・・。
「マネキンとカツラ?でしょうか?」
頭がツルツルなマネキンと金髪の髪の毛。
マネキンの頭がツルツルな事を考えるとそれはカツラだろう。
そして『太助』という文字が書かれていた。
「太助がツララだと言いたいネ!!」
「ツララの意味が分からんし。チャイナ娘。」
お登勢さんまで議論に参加。
「太助が実はヅラだった!コレに決定。」
「いや。決定するにはまだ早いですよ。銀さん。」
「太助って誰だよ?万事屋。知り合い?」
無論そんな知り合いはいない。
「タスケガ、ヅラヲホシイトカ?」
キャサリンの発言は読みにくい。
「ウルセェンダヨ。クソガ。」
すみません・・。
「それだ!!」
新八はメガネがはじけ飛びそうな勢いで立ち上がる。
「どれだ?」
全員の言葉が重なった。
「ヅラと言えば桂さんの事ですよね?太助は、エリザベスの書き間違えで助け。全部をつなげるとヅラが助けをほしい。つまり桂さんが僕たちに助けを求めているって事じゃないですか?」
確かにそう取れなくも無い。
っていうかエリザベス!太助ってかけるなら全部字で書けよ!!
「そんなことより、家賃払いな。」
お登勢さん怒り心頭。
「ツイデニカイモノニモイケヤ。」
「それはお前が行け。キャサリン。」
お登勢さんナイスツッコミ。
「俺たち今お取り込み中だからよ。ババァ。代わりに買い物行ってくるから家賃待て。」
「そんな理屈が通るわけ・・」
お登勢さんが目の前を向いたとき、既に万事屋3人組とペンギンと犬の姿は無かった。
(フゥー)お登勢さんは煙草をくゆらせ、
「しょうがない連中だねぇ。」
と溜息をついた。
「助けに行くっつっても・・」
「どこへアルカ?新八。」
万事屋銀ちゃん一行は、ふらりと町へ。
「さぁ?エリザベスに聞いてみないと・・。」
「・・・。」
ペンギンのような姿は・・
「いねぇ!!」
忽然と消えている。
「何処行ったアル!?ペンギンモドキ!!」
「自分から仕向けといてやり逃げか!?ピンポンスマッシュか!?」
「銀さん。それをいうならピンポンダッシュですよ。」
頼りの綱を失った3人は、途方に暮れていた。
「助けに行かなくていいんでしょうか?」
「ほっとけほっとけ。」
「行こうにも場所が分からないネ。」
「そうですけどぉ。」
「3人寄ればモンジュの知恵かや。」
聞き覚えのある声。
「あっ!テメェ。坂本!!」
その声は、夢を追って宇宙の星になった・・じゃなかった。
宇宙へ旅立っていった坂本。
「よぉ。金時。」
「だから、俺は銀時だって。俺が金時だったら、この漫画の題名犯罪だぞ!?」
いい加減このやり取りにも飽きた。
「ちょうど良かった!坂本さん。僕達桂さんを助けに行く所なんですけど、何処に捕われてるか知ってますか?」
この質問もどうかと思う。
「そんな事も知らんのかや。教えちゃるき、ついてこい。」
「はい!!」
ひとまず、あまりにも偶然に桂の居場所を知った3人。
こんな都合の良すぎる事が合っていいのか!?
いいんです!!
「おっと!その前に変装を・・。」
「え!?」
という訳で、桂を助けに行く前に何故だか坂本の提案で変装をする事になった3人。
「で?これは、何に変装したんだ?」
全員お揃いの衣装に着替えている。
「背中が冷たいアル〜!寒いアルヨ〜。銀ちゃん。」
全員背中には何か箱を背負っていた。
そして印象的なのは
『金時始めました!!』
と言う看板と
『銀時始めました!!』
と言う看板を坂本が掲げている事。
「見ての通り、金時屋じゃ。」
そう。背中に背負わされているのは氷。
箱からは水が背中を伝って滴り落ちている。
「季節外れ過ぎるぞ!?だれもくわねぇって。俺は食うけど。」
「食うアルカ!!」
神楽のツッコミ炸裂!!
「大体金時屋なんてありませんよ!?氷り屋ですよ?」
「似たよぉなもんじゃき。」
「しかも銀時って銀ちゃんを食う気アルカ!?酢昆布より、スッパそうアル・・。」
「食うなっ!!」